話をしていて結論を急いだりたりすぐに答えを出そうとしていませんか?
あまりダラダラ話されると結局何が言いたいのっという気持ちになるのは分かりますが、話すのが得意でない人や深刻な悩みであれば、じっくり耳を傾けて、話し手のペースで話を聴いてみてはいかがでしょうか。
話を聴く側の気配りで相手の本当の気持ちに寄り添うことができます。
話をせかしてすぐに結論だしたり説得していませんか
相手の話が止まったとき、よかれと思って「それから」「それでどうなったの」と言って話を促すことは、逆効果になることがあります。
話をしていて途中で相手が黙ったら沈黙に耐えられずに、「黙ってないで何か言ってよ」「言わなきゃわからないよ」「いったい何を考えているの」などと話をせかしがちになることはないでしょうか。
話すことが得意でない人の場合、話が止まったり、考え込んでしまうことがあるでしょう。
そんなときに、「それで」「どういうこと」とせかせばせかすほど、相手は話しづらくなってしまいます。
あなたが怒っていなくても、相手は委縮してしまいます。
相手がスムーズに話せないのには話せない理由があります。
本人の中でも問題の整理がなかなかつけられていなかったり、感情の高ぶりを抑えるのにいっぱいいっぱいだったり、聴き手が自分の話を受け入れてくれるか不安だったりします。
とくに、心の奥の悩みや苦しみを打ち明ける場合は、本人がつらいことと向き合わなくてはならず、話すこ自体が苦痛になります。
また、自分が受け入れられているという安心感を得るにも時間がかかるものです。
話すことのスピードやリズムは、ひとりひとり違います。
このような違いや不安、苦痛を理解した上で、沈黙になっても焦らず、相手が再び話し出すまで、ゆっくり待つことを心がけてみましょう。
話しやすい雰囲気を作るの良い聴き方のコツです。
説得していませんか
話を聴いていくうちに「こうしたほうがうまくいく」「その考え方はよくない」と思うことはあるでしょう。
思うだけならいいのですが、思ったことを相手に伝え、その通りにするように説得していることはありませんか。
とくに、相手が「部下」「子ども」「生徒」など、自分より力関係が弱いほど、「あなたのためだから」と自分の意見を言いがちです。
しかし、善意であっても説得は抑えなくてはなりません。
話を聴くときは、聴き手の意見を押し付けたり、話し手の考えを変えようとすることはダメなのです。
そもそも、問題の解決方法は数学の答えと違って1つとは限りません。
ある人には正解でも、別の人にとっては正解とは限らないのです。
たとえ家族であっても別人格であって、思いや考えが必ず同じではないことを忘れないようにしましょう。
また、仮にあなたが考えついた解決方法や考え方が、相手のとって正解だとしていても、その方法を選択するよう説得することは避けましょう。
人の心は、他の誰かが強制的に変えることはできないのです。
人が考えや行動を変えられるのは、その人自身が自ら問題に「気づき」心の底から「こうしたい」「こうなりたい」と願ったときだけなのです。
最終的な判断はその人自身がするものであり、他の人にできることは、できる限り話を聴き、その人自身が考えをまとめ整理するお手伝いです。
話の内容を早い段階で判断する
相手の悩みを聴いているうちに、ついやってしまいがちなのが、「それはつまりこういうことだよね」と、話の途中で問題の内容を早々と判断してしまうことです。
話の内容を判断し要点をまとめがる人は論理的で頭がいい人に見えます。
聴き手としては、早い段階で問題点や課題が見えてくると「良いアドバイスができる」「さえている」と思いますが、自己満足です。
人は答えやアドバイスをほしいわけではないのだからです。
人の本音は簡単には出てこないものです。
早い段階で話をまとめてしまうことは、本人が話したいことの核心に近づかないうちに、聴き手が話の方法性を決めようとすることにつながります。
すると、「わかってない」「話を聴いてくれない」という不信感をもつことになりかねません。
また、相手を「あなたって○○な人だよね」と判断してしまうことも注意です。
こういう人だからと決めつけると、それにとらわれてしまって相手の話をきちんと受け止めることが難しくなります。
相手にどんなレッテルを張ったのかを本人に伝えてしまうと、相手は不快な気持ちや哀しい気持ちになり、本音で話そうとしてくれなくなります。
話を聴くコツは、話の内容や相手の人格をすぐに評価・判断することなく、まっさらな心、フラットな気持ちで聴くことです。
参考文献
「人間関係がよくなる誰からも信頼される聴く技術」株式会社ナツメ社