人の話をさえぎっていませんか?ダメな話しの聴き方について

checkコラム

人の話を聴いてるはずが、いつのまにか自分が話をしていたことはありませんか?
または、話の途中で割って入って怒られたことはないでしょうか?
話の途中で自分が話したくなるのは仕方のないことですが、話をさえぎってしまうとどうなるのかを考えてみましょう。

話の途中で口をはさむ

相手の話を聴いていると、「私もそう思う!」「私の場合も同じ!」などと、途中で話をさえぎり自分の話にしてしまったことはないでしょうか。
「聴く」ことのメリットを実感できないうちは、相手の話に途中で口をはさみたくなることがあります。
それは、聴き手にも自分のことをわかってほしいという欲求があり、コントロールしきれていないからです。
コミュニケーションは話すことだという思いもあるかもしれません。

また、無意識に「自分をわからせたい」「分かち合うよりも支配したい」などの欲求が強くなっていることも考えられます。
そうすると、会話ですぐに口をはさんで話の主導権をとりがちになります。

話す側からしたどう思うでしょうか。

途中で口をはさまれると、話したかった内容を最後まで話すことができず、イライラといった不快感がたまります。

聴き手は、話し手の話を最後まで聴いていないで、良い聴き手とはいえません。

難しいことですが、人の話を聴くときは途中で口をはさまず、自分自身の「話したい」欲求を抑えることでコミュニケーションが円滑にできることがあります。

自分の経験などをすぐに話す

聴き手の自分語りはよくあるパターンで気をつけたいことです。
「今、仕事が忙しくてしんどい」
「恋人があまり連絡をしてくれなくてさみしい」
「仕事と育児の両立がうまくいかない」
このような相談事をされたとき、ついやってしまいがちなのが、相手を楽にしようと、聞かれてもいないのに自分の体験談や情報をもとの語っちゃうことです。
「俺が若いころはこんなもんじゃなかった。家に帰れないのが当たり前で・・・」
「連絡がないことなんてよくあることよ。私なんて・・・」
「あなたは両親が近くにいるからいいじゃない。私なんて頼る人がいなくて。でね・・・」

このように、聴いているつもりが、聴いてもらっている側になっています。

人は話を聴くとき、自分の中にある情報と照らし合わせてしまいがちです。
聴き手が「自分語り」をする背景には、「自分の体験のような具体例があると相手も自分だけではないと安心するのではないか、悩みを軽くできるのではないか」という善意があることでしょう。

しかし、話の腰を折られた相談者側は、「あなたと状況が違う」「あなたの経験を聴きたいわけじゃない」といった反発を感じます。
そして、「もう話したくない」「話を聴いてもらえない」となり、話す気持ちがなくなっていくのです。

途中で口をはさむことは、相手の話したかったことを聴き逃すことにつながります。
また、話を聴いていたはずが、自分の方が多く話す状態になり、自分の欲求を満たすことになります。

聴き手は、自分のことを話したくなっても、今は自分の話すときではない、相手のことを聴こうと自分に言い聞かせて我慢しましょう。
相手からどうなのか意見を求められたときに自分のことを話すようにしましょう。

すぐにアドバイスしようとする

仕事の同僚や部下、友人に相談されたら、役に立とうとしてアドバイスしようと頑張りたくなりますよね。
話を聴きながら、良いアドバイスを必死に考えたりしていませんか。
その気持ちは悪いことではありません。
しかし、相手のことを考えたつもりのアドバイスも、聴き手の単なる自己満足になってしまうことがあります。
相談者はまずは話を聴いてもらいたいと思っています。

また、すぐにアドバイスをしようとすることは、相手の話をちゃんと聴いていないときに起こります。
「何て助言しようか」「何を言おうか」を考えていては、大事なことを聴き逃したり、相手の訴えを把握しそこねたりしてしまうことになります。

相手が求めているのはアドバイスではなく、まず何より聴いてもらうことです。
アドバイスを考え、相手に伝えるのは最後まで話し終えるまで待ちましょう。

質問ばっかりしたり質問を矢継ぎ早にする

質問は会話の中で、不明確な点を明確にしたり相手に話を促すのに効果的です。
ビジネスや親交を深めることが目的の世間話で質問は欠かすことができません。

しかし、悩みやつらさを話してもらうような深刻な場面では話は別になります。
つらい思いは、言葉にすること自体に痛みをともないます。
そんな場面で質問を連発されると、相手は詮索されているのではないかと感じて、開きかけていた心の扉を閉じたくなってしまうのです。

とくに「なぜそんなことをしたの」「どうしてそう思ったの」といった質問は、責められているや批判されているという負の感情をかきたててしまいます。
つらい話を聴くときほど質問はなるべく控え、気持ちに寄り添うことがいいでしょう。

参考文献
「人間関係がよくなる誰からも信頼される聴く技術」株式会社ナツメ社