人との付き合い方は、人によってさまざまあります。
対人関係で、どのように振る舞うかによって、性格を判断しようとする「交流分析」と、心の状態をいくつかのパターンに分類して図式化する「エゴグラム」というのがあります。
人づきあいで知っておくとおもしろい交流分析について紹介します。
交流分析とは
私たちは、人づきあいの中で自分の性格を知ることが多いと思います。
性格は目で見ることはできませんが、自分の中にある気持ちを、人を通して比較して「自分は短気だ」や「自分を出すのが苦手だ」などと自覚したり、または悩んではないでしょうか。
交流分析とは、対人関係のあり方から人の性格を分類するアプローチをすることを言います。
交流分析は、アメリカの精神科医エリック・バーン(E.Berne)が提唱者です。
人間は「親」「大人」「子ども」の3つの心を持っているとしました。
親は「批判的な親(CP)」と「養育的な親(NP)」の2パターン、子どもには「自由な子ども(FC)」と「従順な子ども(AC)」の2パターンあるとして、「大人(A)」を合わせて合計で5つの心があります。
5つの心は、人間誰でも持っているもので、人によって強く表れている部分と隠れている部分があります。
5つの心の表れ方や隠れ方によって、行動が変わるとされています。

エゴグラムで心を構造化
交流分析では、4つの分析方法が用いられています。
構造分析、やりとり分析、ゲーム分析、脚本分析の4つです。
構造分析は、5つの心のバランスを見るということです。
たとえば、NP(養育的な親)が優位であれば「世話焼き」、CP(批判的な親)が強ければ「頑固」、Aが強ければ「論理的」、FCが強ければ「自由奔放」、ACが強ければ「依存心がある」などタイプ分けができます。
では、タイプを知るための方法はどうすればいいのでしょうか。
5つの心の強弱を視覚化するための方法があります。
「エゴグラム診断テスト」を使えば知ることができます。
エゴグラム診断テストは、「仕事は予定を立てて計画的に進める」「感情が表に出やすい」「人の顔色を見る」などといった質問に、「はい」「いいえ」「どちらでもない」で答えていくだけです。
難しく考えずに、直感で答えると現在の状況が出ます。
ありのまま感じたまま答える方が、エゴグラム診断テストはよりあなたを視覚化できると言われています。
エゴグラム診断テストの結果は、一生変わらないものではありません。
年齢や状況によって結果は変わりますし、数値の高い低いで性格が悪いと決まるものでもありません。
また、改善しようとすれば変えることはできますので、もし人づきあいでうまくいかないで悩んでいるのなら、人づきあいでつまずいている所を知る手がかりになります。

やりとり分析・ゲーム分析・脚本分析
やりとり分析は、2人のコミュニケーションの特徴を、5つの心の視点から見ようとするものです。
たとえば、医者と患者という関係性の中では、医者がP(親)の立場から指示を出し、患者はC(子ども)の立場になり、親と子の自我による交流だと見ることができます。

ゲーム分析は、人間関係のパターンをゲームとしてとらえています。
人間関係の中では、お互いに関係がこじれて、不愉快になるようなやりとりが交わされることがあります。
交流分析では、これを心理定なゲームだととらえて、早めにゲームを終わらせることが大切であるとしています。
脚本分析は、人の生涯を脚本だと考え、人生の失敗は脚本の中に描かれている「失敗する物語」を、その人が無意識のうちに演じているからであるとしています。
たとえば、両親から「受験に失敗すると幸せになれない」「絶対に合格しなさい」と繰り返し教え込まれたら、その人は「受験に失敗すると幸せになれない」人生を生きることになります。
しかし、「受験に失敗すると幸せになれない」という脚本の存在に気づき、脚本を書き換えることができれば、自分が望む人生を選ぶことができます。
まとめ
交流分析のエゴグラムは、目で見えない性格を視覚化できます。
自分を客観的にみることができて、自分自身が知っている自分と知らない自分に気づくことができます。
日本でもエゴグラムは活用されています。
たとえば、職業適性検査で活用されています。
日本では、東大式エゴグラム(TEG)がよく用いられています。
私も一度診断テストをしたのですが、受けたときの私の状況を映し出した結果がでました。
興味があればぜひ試してほしいです。
参考文献
「史上最強カラー図解プロが教える心理学のすべてがわかる本」