「笑い」は生きていくうえで大切なこと

コラム

最近、笑っていますか?
仕事や付き合いでつくる笑顔ではなく、心から笑顔になることはなかなかないのではと思います。
「笑う」ということは、自分も周りの人にも影響を与えることなんです。
笑いの力について紹介します。

笑いは人間の特有の表現方法

笑いはストレスを和らげたり免疫機能を上げたり、記憶力の向上、心や体にいい影響があるとさまざまな研究からいわれています。

喜びを表現する方法として笑いを考えたとき、それは人間だけがするものではありません。
確かに、人が笑うような、口の両端を上げるような表情を動物がしても、人間と同じように喜んでいるとは限りません。
しかし、猫が喉をならしたり、犬がしっぽを振ったり、動物もそれぞれ独自の喜びを表現する動作をもっています。

人の笑いには喜びを表現する以外にも笑うことがあります。

どんなときでしょうか?

たとえばこんなことは経験ないでしょうか。
何か失敗したときに苦笑いをしたり、人前で恥ずかしいときに照れ笑いをしたり、喜び以外の感情であっても私たちは笑うことがあります。

喜びでない笑顔は、その場をごまかすためでなく、笑いの表情を作ることで抱えているストレスを軽減したり、相手に良い印象を与えようとしていることにも私たちは笑顔を作ります。

笑顔をビジネスで活かす

アメリカの心理学者マーティン・セリグマンの研究で、政治やスポーツ、学問といったどの分野でも、「明るい人」ほど成功するといわれています。

また、笑いは人の想像力を高める効果があるといわれています。
人間の物理的視野は悲観的になるほど狭まる傾向があります。
落ち込んでいるときや元気がないときに、立て続けにアクシデントが起こって泣きそうになったり困ったことはないでしょうか。
アクシデントが起こるとそこだけを見て、周りに視野がいかないものです。
逆に気分が上向いているときは視野が広がり、新たなアイディアが浮かんだり、新たな発見ができたりとビジネスでチャンスが広がります。

物事を考えるとき「明るい」状態で考えるか「暗い」状態で考えるかによって、出てくる発想は変わってきます。
「ピンチはチャンス」という言葉があります。
ピンチなときこそ冷静になるためにも「笑う」こともひとつの解決方法かもしれません。

笑わないことも大事

苦手な人と会話していてニコニコして楽しそうにするのと、仲の良い友人のつまらない冗談に愛想笑いするのとどちらが苦痛ですか?

きっと、苦手な人とたのしそうにすることの方が苦痛だと思います。
「つくり笑顔」をする点では同じなのですが、感情の差の大きさの違いから違いが出るそうです。

つらいときや落ち込んでいるときに笑顔をつくると気分が上向く効果がありますが、無理に笑顔を作りすぎていると感情と表情のギャップがストレスになりコミュニケーションそのものが嫌になってしまうことがあります。

笑顔は人間関係を上手くするうえでとても大切です。
「つくり笑いをしない」生活や仕事をするのは困難です。
だからこそ、常に笑顔でいることは必要ありません。
時間を区切る、自分が今無理をしていることを伝えるなど、あくまでも笑顔でいることを無理しないことが大事です。

笑顔は自分も周りの人も明るくする効果があります。
だからといってずっと笑っていることはできません。
楽しい嬉しいときは大いに笑い、空気を読んだり気をつかう場面では無理のない笑顔ができるようになると楽しい人生になるのではいかと思います。

参考文献
「本音を見抜く心理学」新星出版社