禁止や制限されると逆に興味をひいてしまう現象「カリギュラ効果」について

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私たちは普段生活しているなかで、禁止や制限されていることがあります。
例えば、映画やゲームなどで「R-18指定」や「酒、タバコは20歳になってから」などです。このようにやってはいけない、みてはいけないといわれると、かえって興味をもってしまうものです。
また、食事に行ったときに目にする「1日10食限定」なども同じ原理で注目してしまいます。
禁止や制限されればされるほど、興味をひかれてしまうことを「カリギュラ効果」といいます。

カリギュラ効果とは

映画やDVDに「残虐なシーンがあります」と警告があって、「R-18指定」として上映や販売されているものがあります。これは子どもに悪影響があるとして、子どもに目にはいらないように手に取らないようにして禁止しています。実際、警告によって多くの子ども達を遠ざけています。
ですが、この禁止や警告は、心理学的には逆効果と考えることができます。

なぜなら、私たちは禁止されればされるほど、興味をもってしまうものだからです。子どもの立場で禁止されている映画やDVDのことを考えてみましょう。
どんなシーンがあるのか気になりませんか?
禁止にするまでのものって興味をかえってひくことになります。
これを「カリギュラ効果」といいます。

かえって興味をひいてしまう

イタリアとアメリカ合作で「カリギュラ」という映画が作られたことがあります。
内容は、ローマ皇帝カリグラの残虐ぶりを描いた映画でしたが、ボストンでは残虐シーンなどが過激すぎるということで、上映が禁止されました。
ところが、禁止したことによって、かえって大きな話題になり、ボストンから出て映画を観に行く人が続出しました。結局、ボストンでも上映されることになりました。

ここから、「禁止されると、かえって興味をひく」という現象をカリギュラ効果と呼ぶようになりました。

たとえ内容がそんなに面白くなくとも、「禁止」という警告がなされただけで、私たちはかえって興味を持ってしまうことがあります。

天邪鬼(あまのじゃく)

天邪鬼というと、悪い鬼で物まねがうまく、他人の心を探るのに長じる悪者でありますが、ここでは、わざと人に逆らう言動をする人の意味で使っています。

ミシガン大学のブラッド・ブッシュマン氏は、900名の子どもたちにいろいろなテレビ番組表を見せて、「どの番組をみたい?」と尋ねる実験をしました。
実験の結果は、「警告ラベル」がついている番組が、警告がついていない番組よりも、みたい気持ちを強めることが確認されました。

私たちには、あまのじゃくなところがあります。
ダメだよっていわれるとかえってやってみたくなるところがあります。
思い当たることがありませんか?

あえて売らない

カリギュラ効果は、マーケティングの戦略としても利用することができます。
カリギュラ効果は、禁止にすればするほど興味を持つものですから、モノを「売ろう」とするのではなくて、あえて「売らない」といえばいうほど興味を持ってもらい、お客さまはやってくると考えることができます。

例えば、「1日10杯限定のラーメン」や「1日100個限定のケーキ」というお店は、限定の個数以上売らないということです。
いつでも食べられるのではないという心理がつくられることで、お客さまをひきつける魅力になるわけです。
こういった手法は「カリギュラ効果」を狙った、うまい商売のやり方の一種だと考えられます。

また、会員制のレストランやバーなども、「会員以外の人は入店禁止」というカリギュラ効果をうまく使っている方法です。

まとめ

カリギュラ効果
「禁止」されると、かえって「興味」をもってしまう

「見てはいけない」→「見たくなる・・・」
「開けてはならない」→「開けたくなる・・・」
「100個限定商品」→「買ってみたくなる・・・」

参考文献
身近にあふれる「心理学」が3時間でわかる本 明日香出版社