仕事をしていれば悩みのひとつやふたつあります。
同僚や部下が悩んでいたり困っていたりしているときに何かできることというと話を聴くことではないでしょうか。
普段話すより慎重にアプローチすることが求められます。
どのようにアプローチしていくか紹介していきます。
悩んでいる同僚に対してのアプローチ
同僚が何か悩んでいて、仕事に支障がでている状態のときに、仕事仲間として気になるものです。
そして、何に悩んでいるのだろう、何か力になれることはないだろうかと思うのではないでしょうか。
悩みを抱える同僚に対して、まずできることは話を聴くことです。
多く場合は、話を聴いてもらうだけで、精神的にずいぶん助けられるものです。
人に話を聴いてもらって、スーッと気分がラクになった経験はあるのではないでしょうか。
ただ、抱えている事情が複雑だったり、深刻な場合は、「話したくない」「触れてほしくない」と思っている人もいます。
そんな相手に「どうしたの」「事情を話して」とグイグイ詰め寄ると、不快にさせたり警戒される可能性があります。
「話を聴きますよ」というアプローチは慎重にする必要があります。
相手の悩みが申告そうなときは、他の人に目や耳を気にせず、落ち着いて話せる静かな場所を選びます。
質問はいきなり核心にせまるのではなく、「最近、仕事はどう」といった軽い話題から入り、場の雰囲気を話をしやすくするところから始めましょう。
相手から「実は悩みがあって・・・」と話し始めたら、「どんなことなの、話を聞かせて」と聞く姿勢に入りましょう。
相手が話してくれたら、共感し受けとめつつ質問して、相手の悩みに耳を傾けていきます。
もし、相手が話すことをためらうようなら、「無理に話さなくていいよ」と無理に話を聴くのではなく、話したくない気持ちを尊重してあげてください。
そのうえで、「話したくなったらいつでも聴くよ」と力になりたいという気持ちを伝えておくといいでしょう。
落ち込んだ部下・後輩に対してのアプローチ
部下や後輩の話を聴いていると、「どうせ自分はダメです」「何をしてもうまくいかない」と落ち込んでいる場合があります。
つい「もっと前向きにならないと」「そんなんじゃダメだよ」と厳しい言葉を言ってしまいがちですが、このような対応では良い効果を生みにくいです。
落ち込んだ人、やる気が出ない状態が長く続いている人の多くは、「頑張ったけど誰も認めてくれない」「まわりの人に評価してもらえない」と思った経験が重なり自信をなくしていると考えられます。
人が意欲ややる気をもつようになるには、「自分の努力がきちんと認めてもらえた」という経験が必要です。
やる気を出してほしい相手には、相手の良い点を見つけ、言葉に出して具体的に伝えることで、自信をとりもどしやる気が復活します。
ほめるときは具体的にすることが大事です。
そのためにも、部下や後輩に日ごろから関心をもち観察するようにしましょう。
そして、話をしているときに、タイミングをみて努力している点を具体的な言葉にしてほめましょう。
何となく「頑張っているね」と言われてどう思いますか?
適当なことを言って、自分のこと見てくれていないと思うのではないでしょうか。
「いつも頑張って作ってくれる資料は丁寧でわかりやすいと課長がほめていたよ」といった具体的になれば、ちゃんと見てもらえているという安心感を与えることができます。
部下や後輩自身が気づいていない長所や強みをハッキリ伝えることで、やる気が上がることでしょう。
厳しくするだけでなく、良いところはほめることも、部下や後輩を伸ばすコツになります。
参考文献
「人間関係がよくなる誰からも信頼される聴く技術」株式会社ナツメ社