「男らしさ」「女らしさ」ではなく「自分らしさ」で自分の気持ちに素直になってみませんか

コラム

自分らしく生きていますか?
複雑な現代社会で自分らしく自由に生きることは難しいと思います。
ここでは、あなたが思っている「~しないといけない」「~でなければならない」といった価値観を少しでもほぐせるヒントを紹介します。

「男らしさ」「女らしさ」にこだわらない

価値観が多様化してきたといわれていますが、まだまだ古い価値観で物事を考える人は多く苦しんでいる人は多くいます。
これまでの価値観を基準とした理想の姿を追い求めようとして、自分の実像とギャップに悩み疲れ果ててしまいます。

たとえば、昔から理想とされた「男らしさ」や「女らしさ」です。
男性であれば「たくましくて経済力があり性的能力が高い」という価値観で男性を評価すると、腕力がなかったり、収入が低かったり、性的能力に自信がなかったりすると、男としてダメになってしまいます。
女性であれば「美しく、おしとやかで自己主張は控え目」という価値観で女性を見たとき、容貌に自信がない、おしとやかな立ち振る舞いが苦手な女性は、劣っていると悩みます。
また、自己主張が強いと女のくせにといった不当な差別を受ける場合もあります。

ここで大事にしてほしいことは、「らしさ」は絶対的な価値ではありません。

「男らしさ」「女らしさ」の定義は、その時代の文化がつくりだしたものです。
世界からみると基準が正反対になる文化の国もありますし、時代が変われば基準も変わることは、歴史を振り返ってみればわかります。

わかりやすいのが、平安時代の貴族の男性の理想像でしょう。
武士みたいに屈強な体をもち戦をする人を野蛮として見下し、詩をたしなみ教養のあることが理想とされていました。
現代では、肉体が鍛えられている男性に「男らしさ」を感じるのではないでしょうか。

これまでの価値観にひきずられがちな人は、絶対的なものではないと認めることから始めましょう。
自分自身や身近な人を縛りつけようとしても、楽しくはなれません。
たとえ、現実の自分や家族の実像とのあいだに価値観やギャップがあっても、気にする必要はありません。

「今どきの男女の理想像」に縛られない

従来の価値観から解放されても、いまどきの新しい理想像に縛られることがあってはいけません。
「優しい男性」や「バリバリ仕事をこなす女性」も好まれ受け入れられていますが、それが理想と決めつけると、再び理想像の罠にはまります。
大事なのは、その理想像が自分の生き方に合っているかどうかです。

たとえば、自然にしていて「優しい男性」と言われるのならオッケーです。
しかし、無理に優しさを演じている場合は気疲れするだけでしょう。
さらに、うまく立ち回れずに「自分は優しい男ではない」「自分には優しさがないのか」などと、悩みを生むことになりかねません。

男性がおちいる「尽くさずにはいられない症候群」というのがあります。
「尽くさずにはいられない症候群」とは、ハーベイ・ホーンスタインの著書のタイトルになっている症候群です。
自分の魅力に自信がない男性が、愛する女性にひたすら尽くしアピールします。
そうすれば相手がいつかは自分に思いを寄せてくれると信じていることをいいます。

しかし、相手の女性が喜ぶとは限りません。
相手が本当に自分を必要としているかどうかを気にしていないからです。
なかには「女性は無力である」と思い込む男性もいて、自分に依存するように仕向けたりもします。

はじめは尽くされることを快く感じていた女性も、男性の尽くさずにはいられない心理に気づくと離れていくのではないでしょうか。
見返りを期待する下心や恩着せがましさに嫌気がさすかもしれません。
心を開いて愛そうとしたところで、本当の姿を見せようとしないことに苛立ちを覚えるはずです。

男性側にしても、なかなか見返りが得られないので、だんだんと疲れてくるはずです。
そのうちに「いくら尽くしても彼女には通じない」と恨むようになり、相手を抑圧することもあります。
自分自身に自信がないために、その劣等感を金品で補償しようとしても、かえって女生徒との関係を破綻させてしまうわけです。

新しい理想像に縛られるべきでないのは男女ともです。
自分自身の性格を大事にして自然体で生きた方が楽しく幸せです。
自分に合っている生き方してみませんか?

「自分の本当の気持ち」に素直になる

理想像にこだわるなというと、成長できないや理想をもつことは大切と思われる人もいるでしょう。
確かに、高い理想を掲げ、理想にむかって努力する姿はとっても立派です。
そのなかで人間としてさらなる成長を遂げられるでしょう。
でも、本当に自分が望み、自分に合った理想の場合のみです。

周囲の人たちからやマスコミに植え付けられた価値観に従って、本当はなりたくもない姿になろうとしていないかどうか、一度冷静な目で、自分自身の心に問てみてはいかがでしょうか。

まずは、「~しなければならない」「~でなければならない」といった理想の持ち方を考え直しましょう。
そのためには、「男なら~」「女なら~」「社会人としては~」といった考え方を避けるようにします。
そして、自分の本当の気持ちに忠実になるのです。
そうすれば、楽しく生きるための道が開けるでしょう。

自分らしく生きている人を見て、自分にはそうは生きられないと思う人は多くいると思います。
そんなときは、もっと自信をもっていいのだと自分に言い聞かせてみてください。
たとえ今は本当の気持ちが見えなくても、自分の心を客観的に見つめ直そうとする視点と勇気は、自信を持って胸を張ってください。
模索続けることが大切です。
そうすれば、いつしか自然と見えてくるときがくるはずです。

参考文献
「楽しそうに生きている人の習慣術」河出書房新社