親の終活は何を聞いておけば安心?

コラム

年をとるにつれて、考えたくもありませんが身内の不幸があります。
とくに離れて暮らす親が高齢である人は、「親に万が一のことがあったら、何をどうしたらいいのだろうか」ということも気になってきますよね。
「親の終活」どうしますか?
家族として聞いておきたいことのポイントを紹介します。

人が亡くなるとたくさんすることがあります

親に限らず人が亡くなった際に、残された家族がやらなくてはいけないことはたくさんあります。
死亡届の提出と火葬許可証の取得に始まり、通夜・葬儀、故人の年金の受給停止、各種社会保険の資格喪失手続きなどを限られた期間のうちに行う必要があり、手続きしている間は、「悲しんでいる暇なんてなかった」といわれるほど、することがたくさんあり慌ただしいものです。

また、「埋葬料」「葬祭費」の申請、遺族年金の受給申請、運転免許証やパスポートの返納といった手続きや、携帯電話やクレジットカードなどの利用停止手続きも忘れずに行う必要があります。

親が元気なうちに確認してやっておきたいこと

亡くなることで手続きをしないといけないことがたくさんあります。
もし親が亡くなったときに、家族が何も知らないと困ることが想定されます。
日ごろから情報を共有しておくことが大切になります。
親が健在のうちに確認してやっておきたいことを紹介します。

貴重品の保管場所

通帳や印鑑、生命保険に加入していた場合は証書類の保管場所も家族で把握しておきましょう。不動産を所有している場合は、登記済証(いわゆる「権利証」)、登記識別情報(2004年以降、登記済証に代わって発行されています)についても同様です。
これらのものは保険金の請求や相続関係の手続きに必要となりますので確認しておきましょう。

資産のリストをつくる

預貯金以外にも、住居や土地などの資産がある人もいます。
また、最近では、インターネットで銀行の利用する人も増えています。通帳や印鑑の保管場所を伝えてもらうだけでなく、利用している金融機関と預貯金以外の資産をリストとしてつくっておくことがおすすめします。

利用料金がかかっているサービス(公共料金・携帯電話・クレジット・新聞など)を確認

年金の停止や各種社会保険の資格喪失届といった公的な手続きは、速やかに行う必要があるため、忘れることは少ないと思います。

ただ、携帯電話やクレジットカードといった、利用しているサービスについては、人によって利用状況が異なります。
公的手続きや会社関係、通夜や葬儀に比べて優先順位が低くなるため、これらの解約手続きは、ついと後回しにしがちです。

手続きを完全に忘れてしまうと、本人の死後も引き続き料金を請求されるケースもあります。
できるだけ速やかに手続きができるよう、支払い停止手続きが必要となるサービスについても、リストにして作っておくといいでしょう。

デジタル遺産

親がパソコンやスマートフォン、タブレットなどを使っている場合に忘れてはならないのが、「デジタル遺産」の後処理です。

「ネットは無料サイトの閲覧のみ、保存しているものは、自身が撮影した画像や動画だけ」、といった状態ならば簡単です。
しかし、有料サービスサイトの会員になっていれば、アカウントを停止しないと、利用料を払い続けることになります。

さらに、ネット証券やネット銀行口座があること自体を、遺された家族が知らなかったような場合は、相続対象となる財産が放置されることにもなりかねません。

利用しているサイトとID、パスワードは、必ずリストにして残しておいてもらいましょう。

連絡が必要な人・連絡してほしい人・連絡してほしくない人について

働いている場合、勤務先のほうで社会保険や退職金などの手続きが必要ですね。
いったん退職しても働き続けるシニアはたくさんいます。親がまだ就業中であれば、職場の連絡先も把握しておきましょう。

また、町内会やサークルなどのコミュニティーに加入している場合は、そちらへの連絡も必要です。
どんな活動に参加しているのか、誰に連絡したらいいのかといったところも聞いておきたいところです。

交友関係や親戚関係が難しいかもしれません。

「仲の良い人には知らせてほしいが、確執のあった人には連絡するな」といった、人それぞれの思いがあります。
家族が「故人の親しい友人」だと思っていた人は、実は仲たがいしていた話もあります。

心身共に元気なうちに、「連絡してほしい人」「連絡してほしくない人」をリストにしてもらっておくと安心ですね。

子どもの方から親に亡くなった後のことを話しづらいことです。
でも、大事なことですので親に寄り添いながら、これからのことについて話していって備えるようにしたいですね。

何もないところから、リストを作るのは難しいと思います。
終活で使われているエンディングノートが便利です。
よかったらエンディングノートを利用してみてはいかがでしょうか。

出典:LIMOくらしとお金の経済メディア2020.10.17「親の終活」家族は何を聞いておけばよいのか?