傾聴の効果とは?「受容」と「共感」でよりよい人間関係が築ける方法があります!

pcnote心理学

普段どのようにして人の話を聞いていますか?
相談事など大事な話しほど受容と共感がないと、相談してよかったと思ってもらえません。
話しを「きく」について考えてみませんか。

「人の話し聞かないよね」と言われないようにするために

「傾聴」とは、相手の気持ちに寄り添って共感的に聴くことです。
「きく」には色んな「きく」があります。それぞれの違い3つに分けてみました。
あなたはどの「きく」が心地良いですか?

<聞く>

一般的に広い意味で使われる言葉です。「聞こえる」というような意味合いを持ちます。英語で言えば「hear」に該当します。特に意識していなくても、自然に音や言葉が耳に入ってくる状態のことを言います。

<訊く>

問うたり、訪ねて答えを求める意味の言葉です。持っている疑問を明確にするために、相手の話をどんどん深掘りし、質問することです。「尋問」や「詰問」に近い言葉になります。

<聴く>

相手の話に意識して、丁寧に耳を傾けること。英語では「listen」に該当します。

いろんな「きく」があるのですが、「聴く」があなたが話をする時に相手にしてもらいたい「聴く」ではないでしょうか。
「相手の話に心を込めてしっかり意味を傾けて、真意を引き出す」という「傾聴」がとても大切です。

ここでのポイントは、「あなたの話をしっかり聴いていますよ」ということを、どれだけ相手に伝えられるかという事です。
コミュニケーションの意味は、相手が受けとった反応にあります。
いくらあなたが「ちゃんと話を聴いているつもり」でも、相手がそう感じていなければ「聴いていない」と同じことになります。
自分がどう伝えたかではなく、相手に何が伝わったかが重要です。
伝えたいのは話の内容だけではないからです。そのことから、こんな感じだという「想い」もわかっているとお互いに意思疎通ができると言われています。

傾聴することで大事な「受容」と「共感」

あなたは相手の話を聴くときは「何とかしてあげたい」という気持ちを優先してアドバイスをしちゃうことありませんか?
アドバイスしたい気持ちはわかります。
ここはぐっと我慢して相手の話をじっくり聴いてみましょう。
もし、あなたが相談したときにどのように聴いてもらえればうれしいかを考えてみましょう。

丁寧に相手の話を聴いて、相手の置かれている状況や、その状況についてその人が考えていること、感じていることを話してもらい「あなたが自分のことを本当に分かってもらえた」という安心感を相手にもってもらうようにします。
ここでアドバイスをしたくなった時は自分の気持ちが優先していることに気づいておく必要があります。
そうすることで、冷静に相手の話を聴く事ができるようになります。
相手は悩んでいたり困っていることで自分に対し否定的な気持ちになっています。
その時に問題点を指摘されたり「○○すれば解決するよ」というアドバイスを受けることは相手からすると「自分を否定されている」と感じてしまうことがあります。
だからこそ、「まず相手の言うことをそのまま受け止めて理解を示し、あなたの事を尊重します」という気持ちを伝えるのです。
そうすることで、相手は前向きに自分の問題に取り組むことができるようになってきます。

あなたの「相手のために・・・」という気持ちを適切に表現する技術が「傾聴」です。

実際に話を聴く際にどのようなことをしていくのかというところについて説明していきたいと思います。

まず相手の人の話を聴くときの態度として大事なのは「受容」と「共感」になります。

「受容」とは目の前の人が、どのようなお話をされたとしても否定せずに、「あなたは~なのですね」とか「なるほど~そうなんですね」など、 無条件に一旦「受け止める」ことです。
そして大事なのが「受け止めるけど、受け入れないこと」です。
対話というのはキャッチボールみたいなもので、相手が投げたボールをしっかり受け止めてから、こっちが投げ返すといったように、相手が話す話をしっかり聴いたうえで、次にこちらが話す番になって話しをします。

人は自分の話に耳を傾けてくれる人に対して、心を開いてくれるし、好意的に接してくれます。
そうすることで、お互いの信頼関係を築きやすくなります。
しかし、受容するということは、ただ単に相手の言うことに賛成するということとは少し違いますのでこの辺りをしっかり認識しておく必要があります。

「共感」とは聴き手が、相手の世界に入って相手が体験している気持ちや想いを、その本人よりも深く正確に理解すること、そしてその理解したことを相手に伝えることです。

大事なことは、相手の世界観でものごとを見たり聞いたりして、感情をくみ取り、理解したことを相手に伝えて、「私が言いたかったことは、まさにそれだ!!」と感じてもらえるようにすることです。
人は自分の話を受容しながら共感して聴いてもらえた時に相手への信頼度は一気に増します。

傾聴には、この「受容」と「共感」の2つの要素が必要不可欠です。
この2つが土台となって、しっかりした傾聴ができるようになります。

無言でも人の心は動かせることができる

傾聴の力を調査したものがあります。
イースタン・ケンタッキー大学の心理学者、ローズマリー・ラムゼイは、最近自動車を購入した500名を対象に聞き取り調査をおこないました。

質問は「あなたが車を買ったとき、セールスマンは何をしていましたか?」です。

すると、一番多かったのが「傾聴していた」という答えでした。
つまり、おすすめの車種を押してくるのではなく、まずはお客さまの話しにじっくり耳を傾けて、要望を熱心に聞いてくれたから、お客さまはそのセールスマンから車を購入したということです。

これは苦情受付のコールセンターでも同じです。
苦情を訴えてきたお客さまをなだめる一番の方法は、とにかくお客さまの話を最後まで聞くことだといわれています。
もちろん、ただ上の空で聞いていればいいわけではありません。
あくまでも「傾聴する」という意識をもって接することが大切です。

傾聴することは、それだけでも相手に対して好意をもってもらえます。
見え透いたお世辞を言うくらいなら、ただじっと相手の話を聞く方ほうが効果的です。

まとめ

「受容」と「共感」を意識的に使っていくことで傾聴の技術が身についていきます。
ただ、意識しすぎてしまうと不自然になり相手に警戒されてしまいます。
意識しすぎないで、心に留めつつ自然に傾聴できるようになれば、よりよいコミュニケーションができます。

参考文献
「一瞬で人を操る心理法則」