家族の話をしっかり聴いていますか?

コラム

家族の話を聴く

家族と話しをする場合どうしていますか?
スマートフォンを触りながら聞き流していませんか。
たとえ家族でもコミュニケーションがうまく取れていないと、すれ違いが起こり取り返しのつかないことになることがあります。
身近な存在だからこそ普段から話ができる環境が大事になってきます。
さまざまなシーンでの話の聴き方について紹介します。

配偶者(妻・夫)が愚痴ばかり言ってくるのはどうしたらいい?

愚痴ばかり聴かされると、うんざりしてしまうものです。
愚痴は解決を目的としていないためネガティブにとられがちです。

愚痴をこぼす側も、愚痴をこぼしている自分をいいとは思っていないでしょう。
ただ、心の中に不平や不満がたまっていて耐えられない状態なので、言葉にして吐き出して発散させているわけです。

愚痴は相手が不平不満を抱えているサインでもあり、それを聴くことは相手のストレス発散の助けになるわけですから、あなたの心の余裕があるなら聴いてあげましょう。
とくに、妻が育児や介護などに追われている場合は、ストレスを発散できる環境があることが大事です。

愚痴を聴くときは、「そんなこと言ってもなんの解決にならないよ」などと言ってさえぎらず、「へぇそうなのか」「大変だったね」とあいづちをうちながら聴いてみましょう。
ただ、あいづちをうっているだけなら、話をちゃんと聴いているのかと思われることもあるので、話の要点をときどき伝え返すといいでしょう。
「そういうところがイヤだったんだね」「それでイライラしたんだね」と、相手が一番わかってほしいポイントをおさえて伝え返すことで、相手は「そうそう」「そうなの」と理解してもらえたと安心します。
また、気持ちがラクになって落ち着き、愚痴もおさまってはずです。
要点を伝え返すコツは、相手の「感情」を伝え返すことです。

愚痴はためこむと後で大きな問題につながります。
さらに、精神的にもよくありません。
しかし、いつも話を聴ける状況ではないと思いますので、愚痴を聴く余裕がないときは「今は疲れているから、明日聴くね」としっかり聴ける時間をつくっていくことが大事です。

子どもの話はどう聴けばいいの?

あなたは子どもの話をきちんと聴いていますか?
親は子どもの話を聴いているつもりでも、子どものほうは聴いてもらっていないと感じていることがあります。
では、子どもの話はどのように聴けばよいのでしょうか。

まず、子どもが話したそうなそぶりを見せたときは、「なあに」と子どものほうを向いて、子どもの顔を見ながら話をきちんと聴こうとする姿勢で話を聴きましょう。

聴くときのポイントは、子どもに視線を向け、家事や作業などの手を止めて、「そうだったの」「大変だったね」「よくがんばったね」など共感のあいづちをうちながらしっかり話を聴くことです。

子どもがうまく話せなくてもせかさずに、最後まで話すのをじっくりと聴き、まってあげる気持ちをもってください。
また、アドバイスが必要と感じたときも、話を最後まで聞き、決して押しつけたり命令したりせず提案するようにしましょう。

落ち込んでいる家族の話を聴く

家族が落ち込んでいる様子だと、元気づけたくなります。
元気づけることは良いことですが、「そんなことないよ」「思いいすぎだよ」「考えすぎだって」といっていませんか。
これらの言葉は相手を否定する言葉で、相手に「自分のつらさをわかってもらえない」と思わせてしまいます。
また、「大丈夫、がんばればできるって」という意味のない励ましも、「これ以上がんばれと言われても・・・」と相手を追い込むので避けてください。

大切なのは、相手をわかりたいという気持ちです。
たとえば、「自分は会社でいらない人間だ」と悩みを話し始めたら、安易に否定するのではなくて、「そんなふうに感じているんだね」とありのまま受けとめてください。
そのうえで、「詳しく話を聞かせて」「どうしたいの」と、話の3要素である「事実関係・気持ち・欲求」を整理しながら聴いていきましょう。

欲求については、心のエネルギーが不足しているときは正しい判断ができなくなってしまいます。
大切な決断をするときはすぐにださないように促しましょう。
たとえば、会社を辞めると言われても、今は結論を出さず、ゆっくり考えようと応じましょう。

参考文献
「人間関係がよくなる誰からも信頼される聴く技術」株式会社ナツメ社