人は言葉を使わなくても、表情やしぐさでコミュニケーションができます。
話さなくても言いたいことが伝わったことがある経験はありませんか?
表情で伝わってしまうことがあるので、表情に注意しておくと、家庭や学校、仕事でよりよいコミュニケーションができます。
言葉を使わないコミュニケーションと表情で何がわかるのかについて紹介します。
言葉を使わないコミュニケーション
人は言葉だけでなく、表情やしぐさ、動作などでコミュニケーションをしています。
人類学者のバードウィステルによれば、一対一ででは言葉で伝わるメッセージの割合は35%で、65%は言葉以外の非言語的な手段で伝わっているとのことです。
大勢の人と話すときは、さらに非言語的手段によるコミュニケーションの割合が高まるそうです。
また、心理学者のナップは、非言語的コミュニケーションを7種類に分類しました。
言葉にならないメッセージがわかれば、よりよいコミュニケーションができるようになります。
非言語コミュニケーションの手法

表情から読み取る好き嫌い
人の本音は、言葉より無意識のうちに表情に表れます。
相手の本音を知りたい場合は、言葉より表情に注目したほうがよいとしたのが心理学者のカシオッポです。
カシオッポによれば、好き嫌いの感情は頬骨筋と皺眉筋に表れるといいます。
実験の結果、好意を持ったときは頬骨筋が動き、嫌悪を感じたときは皺眉筋が動いたそうです。
さらに、好みや嫌悪の程度が大きくなれば、筋肉の動きも激しくなることを実験から発見しました。
つまり、頬や眉間の動きを見ていれば、相手が好意があるかの感情を推測できる方法になります。

二重拘束
二重拘束(ダブルバインド)とは、人類学者のベイトソンが名づけました。
二重拘束は、相手の言語のメッセージと非言語のメッセージが一致しないと、人は困惑してしまうことです。
たとえば、親が子どもに「あなたが世界で一番好き」と言いながら、無表情であったり不機嫌な顔であったら、子どもは親の真意がわからず、心理的な葛藤、つまり混乱してしまいます。
二重拘束は、子どもの成長にマイナスの影響がでるので注意するべきと言われています。

アイ・コンタクト
「目は口ほどにものを言う」という言葉があります。
この言葉通り、目には人の気持ちが表れます。
言葉がなくても、目を合わせる(アイ・コンタクト)だけで、人は相手の感情や考えを推測できます。
心理学者のナップは、どのような場合に人は視線を合わせるかのついて4つに分けています。
- フィードバックを求めるとき
- 連絡を取りたいとき
- 好意を示すとき
- 敵意を示すとき
1.フィードバックを求めるとき
会話の中で、自分の意思や気持ちが相手に伝わっているかどうかの確認で目を見ます。
2.連絡を取りたいとき
サッカーなど集団でのスポーツの中、言葉を交わさずに視線を合わせることで情報を交換することを言います。
3.行為を示すとき
好きな相手には無意識のうちに目を合わせようとします。
4.敵意を示すとき
敵意を感じる相手を硬い表情で見つめます。
相手に敵意が通じると、お互いにらみ合います。
笑顔は人を引き寄せる
人は笑顔の人に対して「安心感」をもってしまう生き物です。
あなたは「笑顔の人」か「機嫌が悪い人」とではどちらの人と一緒にいたいですか。
笑顔の人ではないでしょうか。
人は笑顔で接すると、人は心を開いてしまうといわれています。
笑顔の効果を調べたものがあります。
イギリスのアバディーン大学リンデン・マイルズ博士は、男女3人ずつのモデルの写真を撮り、それを男女40人の大学生に見せて、反応と、どの顔の写真のほうに向って動いたかを調べました。
結果は、写真が「笑顔」であった場合のほうが、写真の顔が「無表情」と比べて、20倍も笑顔の顔に向って動きました。
笑顔を見ると、人はその笑顔に引き寄せられているといえます。
まとめ
表情によって、伝えたいことや伝えたくないことも、相手に伝わります。
相手の表情を見て推測するのに役立ててほしいですが、自分が今、どのような表情をしているかも考えてほしいです。
言葉だけでなく非言語を使ってうまくコミュニケーションしましょう!
参考文献
「史上最強カラー図解プロが教える心理学のすべてがわかる本」
「一瞬で人を操る心理法則」