何か頼みごとをするときや、相手に同意を得たいときに、成功の可能性を上げる方法があります。
「ドアインザフェイス」と言われる心理学に基づいた交渉術です。
「ドアインザフェイス」は、最終的な頼みごとを通すために、最初に受けずらい大きな頼みごとをして、本命の頼みごとを通す交渉術のことです。
営業や交渉に悩んでいるなら「ドアインザフェイス」を知っておいて損はないです。
「ドアインザフェイス」を紹介します。
ドアインザフェイスとは?
ドアインザフェイスとは、まず初めに断られるの前提の過大な頼みごとをして、相手に罪悪感を抱かせたうえで本命の頼みごとをするという意味です。
ドアインザフェイスは人間の心理を突いた交渉術です。
人間は一度頼みごとを断ると、断った罪悪感を打ち消すために、次の頼みごとを聞きやすくなると言われています。
少しずつハードルを下げる方法
ミズーリ大学のモートン・ゴールドマン博士とクリストファー・クレッソン博士が、カンザス市民を対象に実験を行いました。
実験内容は、192名の市民に「新しく設立されたラジオ局の者ですが」と声をかけて、「すみませんが、150人を電話帳から選んで、その人に電話をかけて質問をしてくれませんか?」と頼みました。
このような無茶な要求を承諾した市民はいませんでした。
しかし、いったん要求を断られてから「では、25人ならやってもらえますか?」と再度頼みこむと、半数もの人が承諾してくれたという結果がでました。
いきなりとんでもない頼みごとをお願いして、それをあえて断らせてから、次に低めの条件でお願いをすること。
これがドアインザフェイスの交渉術です。
これを営業や交渉にも利用できます。
ドアインザフェイスの使い方と注意
ドアインザフェイスの使い方はこちらです。
- 最終的に得たい頼みごとよりも過大な頼みごとを相手に求める
- 最初の頼みごとよりも低めの頼みごと (OKをもらいたい頼みごと) を相手にする
ドアインザフェイスを使うことの注意があります。
- 過大な頼みごとOKをもらいたい頼みごとには関連性が必要である
- 相手に気付かれないようにする
- 同じ相手に何度も使わない
ドアインザフェイスを使った例を紹介します。
ドアインザフェイスを使った例
・値切り

このパソコン欲しいなぁ。
うーん10万円かぁ。
もうちょっと安くならないかな。

いらっしゃませ。
パソコンをお探しですか?

このパソコンが欲しいのだけど、値段が高くて。
半額にまけてもらえないですか?

さすがに半額にはできないです。

そうですよね。
1割引きではどうですか?

1割引きでしたらできます。

じゃあ、このパソコン買います。
・部下に仕事を頼む

この案件の資料、明日までに用意お願いしたいのだけど。

すいません。
今抱えている案件があって、厳しいです。

そうかぁ。
忙しいところ、悪いね。
3日後までやったらどうかな?

3日後までならできます。

それじゃあ、お願いするね。
ドアインザフェイスを使った例を紹介しました。
過大な頼みごとから本命の頼みごとにOKもらう流れです。
ドアインザフェイスとは逆の交渉術フットインザドア
頼みごとを受けてもらう交渉術に「フットインザドア」もあります。
小さな頼みごとをして徐々に本命の頼みごとを受けてもらう交渉術です。
「フットインザドア」については、こちらもあわせて「フットインザドア」をご覧ください。
まとめ
ドアインザフェイスは比較的に信頼関係がある人に使うのが有効です。
人の罪悪感を利用するドアインザフェイスには、ある程度、信頼関係がないと不信に思われたり、警戒されますので使いどこを見誤らないようにしましょう。
心理学に基づいた交渉術はさまざまあります。
一つにこだわらず、時と場合によって使い分けができるようになりましょう。
参考文献
「一瞬で人を操る心理法則」