第3回のありのままの自分で生きる方法では、コンプレックスを味方にするです。
コンプレックスは「劣等感」ともいいます。
誰にでもある劣等感を味方につける方法を紹介したいと思います。
コンプレックスは隠さなくていいんです
友人が劣等感を抱いたり、欠点だと思っていることでも、あなたから見たらそんなに悩むほどのものではないと思うことがありませんか。
また、相手が自分と似たような悩みがあると知ると、同じ悩みを持つ者として、親近感を持つことはありませんか。
たとえばこのような例があります。
東北弁を気にしていた男性がいました。
彼は生まれ育った故郷を離れ、初めて東京勤務になって、東北弁に強い劣等感をもっていました。
劣等感から職場では仕事の指示など必要最低限の言葉しか話しませんでした。
彼は東北弁を出さないように意識して東京のらしい言葉で話すと、言葉がきつくなり、反発を受けてしまいました。
さらに、真面目で有能な点も加わってよけいに、うちとけようともせずに威張っていると思われていたようです。
ある日、ミスをした同僚をフォローしようとしたときに、気を付けて話さないようにしていた東北弁がでちゃいました。
このでちゃった東北弁で状況が一変しました。
彼が「しまった!」笑われると思って周りを見渡したところ、周囲からやさしい眼差しがあったそうです。
同僚が「あったかくて、いい言葉ですね」と言われ、彼は「恥ずかしいから訛りが出ないようにしていたんだけど」といった会話が続き、彼がもっているあたたかさが職場のみんなに伝わりました。
この職場の人たちは、地方の出身が多く地元の言葉で盛り上がり、彼は職場で良い人間関係を築くことができました。
自分が欠点だと思っていても、他人の目に同じように映るとは限りません。
たとえ周囲の人が欠点だとみなしたとしても、人格まで左右するものようなものではないでしょう。
劣等感を見せることで、人間関係を好転させるきっかけにできます。
慕われる上司の振る舞い方「強さと弱さをあわせもつ」
コンプレックスで悩む人は、他人の目を過度に意識していることが多いと言われています。
弱点を知られたら終わりや格下に見られないようになど、常に気を張りつめて緊張状態で仕事をしている人はいませんか。
特に仕事ができる優秀な人ほど、部下や後輩の前で恥ずかしい思いをしたくないと考える傾向があるそうです。
しかし、常に有能な人間としてピリピリ振る舞っている上司ってどんな感じですか?
私が感じるのは、仕事はできるけど、近寄りがたく相談もしづらい上司という感じがします。
さらに、信頼関係を築くことが容易ではないと思います。
慕われる上司になるには、ときには思いきって欠点をさらけだし、失敗は失敗として受けとめるという姿勢を身につけるのがひとつ方法としてあります。
上司だからといって、部下に弱いところを見せてはいけないということはありません。
完璧をよそおってばかりいる上司に部下の心はつかめません。
いつも気を張りつめて自分の見栄えを気にしているより、過去の失敗談を話した方が部下との距離が縮まります。
弱さを見せることで、共感や親近感を出すことができます。
部下からすれば、有能な上司から個人的な話を打ち明かしてくれたという思いから信頼されていると感じます。
信頼関係ができると仕事にも良い結果が付いてくるでしょう。
「強さ」だけでなく「弱さ」も出すことで人間味が出て、信頼される上司、慕われる上司となることができるひとつの方法です。
あがり症の人のための心構え
人前に出ると緊張してしまう人は多いと思います。
私も緊張してあがってしまいます。
あがってしまうのは、自意識過剰になり公的自意識が強いといわれています。
自意識には公的自意識と私的自意識があり、容姿や言動のように、他人からも観察できる側面への関心の強さを公的自意識といいます。
私的自意識は、感情や信念のように他人からは観察できない内面への関心の強さのことです。
公的自意識が強い人は、他人から注目され評価されるような状況下であがる傾向があります。
人前でのスピーチやプレゼンテーションが苦手だという人は多いと思います。
人前に出て役割を果たそうとすると、気が重くなり、体の具合が悪くなることがあります。
そして、声が震えたり、うまく話せなかったりといった結果になると、激しく落ち込んでしまいます。
あがりやすい人というのは、一般的に真面目な努力家で、完全主義で潔癖である傾向がある人であるといわれています。
さらに、自尊心が強く、公的自意識が過剰に働くので、注目されて評価を受けると思えば思うほど、上がってしまうのです。
あがり症の人への心構えを紹介します。
「100%を望まない」と「失敗しても構わない気持ちでいく」です。
100%を望まない
プレゼンテーションがうまい人であっても、準備万端で臨んだプレゼンテーションが100点満点になることはないと聞いたことがあります。
何回もプレゼンテーションをしても緊張することはなくならないし、完璧にはできないそうです。
プレゼンテーションのコツは、完璧にはできないことを認め、ベストをつくすことで、反省点は次回に役立つものと考え、落ち込まないようにしているそうです。
完璧にこだわらないことが、うまくプレゼンテーションをするコツです。
失敗しても構わない気持ちでいく
失敗したくないという思いが強い人は、逆に失敗してもいいと考えてリラックスしましょう。
人前で失敗してはいけないという気持ちが強くでればでるほど、プレッシャーとなって心と体を縛ることになります。
そして、失敗してしまいます。
あがり症であると自覚しているのなら、失敗してもいいと思えるように気持ちを緩めましょう。
失敗しないようにすればするほど、失敗してしまうものです。
少しのミスくらい大丈夫と考えて、肩の力を抜いて、あがっている状態を自然なことにしてプレゼンテーションをしてみましょう。
次回の「ありのままの自分で生きる方法」ですが、周囲の目を気にしすぎる人の心をラクにするです。
参考文献
「楽しそうに生きている人の習慣術」河出書房新社