「嫌われる勇気」の続編「幸せになる勇気」を読んでみた感想とアドラー思想で幸せにどう生きるか

pcnoteコラム

先日、「嫌われる勇気」を読んだので、続編の「幸せになる勇気」を読みました。
さすが嫌われる勇気の続編であるだけに、青年と哲人の対話形式で場面を想像しやすく、おもしろい内容でした。

話しは前作の嫌われる勇気から3年後、教師になった青年が哲人のもとへ訪れます。
アドラーの思想で子ども達に接してきたのに、うまくいかないし、生徒は言うこと聞いてくれない、どうなっているんだと、哲人に詰め寄ります。
ここから青年と哲人の話しが始まります。

ありのままにその人を見ることが「尊敬」

尊敬といえば、どのようなイメージがありますか?
僕のイメージは人を敬うこと、あこがれです。
アドラーの思想では、ありのままの「その人らしさ」を受けれ入れ尊重する。相手の尊厳を守りつつ、関心を寄せていくとあります。
つまり、「他者の関心事」に関心を寄せることです。

これは「共感」です。
カウンセリングの技術にもあります。
僕はカウンセリングの勉強していますので、このアドラーの思想は心に響きました。
一般的に悪いことである行動にも意味があります。
ただ悪い行動を止めさせるのに叱るだけでは、なかなか改善しません。
「尊敬」を持って相手の関心に寄せることで見えるものがあります。
そこから解決の糸口がみえてきます。

カウンセリングだけでなく、子育てや学校や仕事の教育にも当てはまります。
子どもや部下に対して困っていることがあれば、対等に尊敬の態度で接してみてください。

悩みは「悪いあの人」や「かわいそうなわたし」を聞いていても本質の解決はできない

カウンセリングに限らず、家族や友人と話すとき、相談事を持ちかけるとき、今自分が何を話しているのか自覚することは難しいことです。
相談事を視覚化するとふたつのことしか語っていないことがわかります。
そのふたつが、自身に降りかかった不幸を訴える「かわいそうなわたし」、自分を責める他者、また自分を取り巻く社会への憎悪を語る「悪いあの人」です。
確かに、相談を聞くうえで「かわいそうなわたし」と「悪いあの人」のことを聞かずに相談事を解決はできません。
ですが、聞いているだけではなぐさめになっても悩みを解決するには、なかなか至りません。
理由は、明日からの毎日が変わるのか?です。
相談して、話を聞いてもらって、癒しになって、また傷ついたから相談して、話を聞いてもらって・・・
繰り返すだけの「依存」になっているだけで、根本的に解決できていません。

では、どうするのかといいますと、
アドラー心理学では、「これからどうするか」を語り合います。

「これからどうするか」

「これからどうするか」の文字を見たとき、僕は「あーやられた、そうですよね」といのが感想でした。
過去の事実は変わらないし、必要なのは今、これからです。
これからをどう生きるかが幸せのキーワードだと僕は考えています。

「悪いあの人」や「かわいそうなわたし」は、信頼関係を築くうえでも大事ですが、ここに集中していても、繰り返しになります。
相談者が解決を望まないのならいいのですが、もし依存になればあなたに負担がかかります。

「過去」の話しより「今、これから」を語り合う方が、お互いにとって幸せになれる方法です。

「これからどうする」を語るときに、相談者が語るのであって、あなたがアドバイスをするのではありません。
あなたが「あれしたらいいよ」や「これした方がいいって」など言ってあげたい気持ちはわかりますが、グッとこらえて相談者からの発言を待ちましょう。
本人の意思がないとアドバイスがおせっかいになります。
本人から「これからどうする」がない場合は、おそらく変わりたくない理由があるかもしれません。
その変わりたくない理由を無理に聞いてはいけません。
心は繊細です、無理やり聞いてもっと傷つけてしまう可能性がありますので細心の注意を払ってください。

あなたが相談する側なら、「これからどうする」を中心に語っていけば、物事や心の整理ができて、自分の進む道が見えてくるでしょう。

カウンセリングだけでなく、普段の生活や仕事でも通用する考えです。
アドラーの思想で、これからをどうするかを考え、実行することが幸せになる方法だと思います。

まとめ

「愛し、自立し、人生を選べ」という言葉がでてきます。
この言葉を真に理解できれば、幸せになる方法がわかり選択できる、これがアドラーの教えではないかと僕は思います。

アドラーの思想でこれからを生きる「勇気」を手にしていただければ幸いです。
そのためには、幸せになる勇気は嫌われる勇気と合わせて読むことをおすすめします。

幸せになる勇気の本の紹介

大ベストセラーとして空前のアドラーブームを巻き起こした「嫌われる勇気」の完結編です。

前作「嫌われる勇気」でアドラーの教えを知り、新たな生き方を決意した青年。
その彼が3年ぶりに哲人のもとを訪れます。
アドラーの教えを実践すべく図書館司書を辞めて教師となった彼が語る衝撃の告白。
それは「アドラーを捨てるべきか否か」という苦悩でした。
アドラー心理学など、教育現場でも現実社会でも通用しない机上の空論だとする彼に、「あなたはアドラーを誤解している」と哲人は語ります。
哲人と青年の対話は、教育論に始まり、仕事論、組織論、社会論、人生論へと及び、最後には「真の自立」と「愛」というテーマが浮かび上がります。
そして、最後に哲人が説くのは、誰もが幸せに生きるために為すべき「人生最大の選択」についてでした。
果たしてその選択とは?
あなたの人生を一変させる劇薬の哲学問答、再びです!

【主な目次】
第一部 悪いあの人、かわいそうなわたし
第二部 なぜ「賞罰」を否定するのか
第三部 競争原理から協力原理へ
第四部 与えよ、さらば与えられん 
第五部 愛する人生を選べ

前作の「嫌われる勇気」の本もおすすめです。